「愛顔」今回のインタビュー:乘松稔明さん

大島の魅力を掘りおこす 乘松稔明さん 八幡浜市地域おこし協力隊(大島地区)

乘松稔明さん

地域おこし協力隊は、人口減少や高齢化等の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に誘致し、その定住・定着を図ることで、地域力の維持・強化を図っていくことを目的とする取り組み。 具体的には、市が都市住民を受入れ、地域おこし協力隊員として委嘱し、一定期間以上、農林漁業の応援、地域振興、住民の生活支援など各地域のニーズに応じた地域協力活動に従事していただきながら、地域への定住・定着を図っていく。 現在八幡浜には3名の地域おこし協力隊の方がおられる。今年7月に大島地区に配属になった乘松さんにお話を伺った。

八幡浜市の地域おこし協力隊になった経緯は?

私は松山市の出身ですが、母親が八幡浜市の出身で、祖母は今も八幡浜市で商店(新町にあるコバヤシ手芸店)をしています。また、子どもの頃は、毎年、祖母の家に泊まりで遊びに行くなど、昔から八幡浜には縁がありました。 東京の大学に進学し、卒業後は自分の夢を追いかけていましたが、アルバイトの毎日で、27歳の時に、このままこの生活を続けていて良いのかな…と感じるようになり、地元に帰ろうと考えるようになりました。また、これまでは、自分のやりたいことを自分のためだけにしてきたので、地元に帰るのであれば、地元のためにも何かしたいというふうに思うようになっていました。 その後、地元、松山の会社に就職しましたが、何か物足りなさを感じて、インターネットで県内の情報を調べていたところ八幡浜市で地域おこし協力隊を募集しているということを知り、「これは!」と思い応募しました。

大島地区を担当する事には?

正直に言いますと、最初は、八幡浜市の大島と言われてもピンとこなかったのですが、調べてみると、とてもいい所だし、祖母や母に大島で地域おこし協力隊をする考えがあることを相談すると、「大島はとてもいいところよ」と賛同もしてもらいましたので、ぜひ大島で頑張ってみたいと思いました。

活動内容は?

島の活性化に資する活動が私の業務ですが、私は移住者という立場であるため、まずは、1軒1軒全てのお宅を回って、あいさつと顏つなぎをさせていただきました。今でもなるべく皆さんと顔をあわせたいので、時間があるときは島内を歩いて、皆さんから島のことを教えてもらったり、お話をしたりしています。
また、島のことで人手がいるときは、島の方から声をかけていただけるので積極的に参加しています。 例えば、大島の特産品である「あおのり」の収穫の手伝いや、みなっと日曜市での特産品(あおのり、ジャガイモ、玉ねぎなど)の販売などを手伝っています。その他、大島での行事にも参加しています。
こういう手伝いをすることは、島のことを知れるきっかけにもなりますし、今後の活動をしていく上でもヒントになると考えています。 そのほか、釣り客がいると聞いていたので、今は大島釣り場マップを作成しているところです。 日々の活動内容は地域おこし協力隊3名で更新しているフェイスブックに掲載していますので、ぜひ皆さんにもご覧いただきたいです。島外の方には知られていないような行事も紹介していきたいです。

活動をしていて嬉しかったことは?

島の盆踊りに踊り手で参加した際に、皆さんに踊りを教わりながら必死に練習して、当日は踊りきることだけに集中していました。踊り終わった後の皆さんの笑顔や直接お褒めの言葉を頂いたりして本当に参加して良かったなと、大変嬉しい思いをしたことを覚えています。

心がけていることは?

定期的に地域おこし協力隊で集まり、情報共有を行っているほか、市の担当者にお願いして、地域振興に係る研修の情報を常に入れるようにしています。これから活動をしていくにあたり、まずは様々な島の活性化施策などの情報を入手するように心がけています。

大島での生活は?

大島の人口は約250人程で高齢化率が66%です。(一番若い人で31歳) ほとんどの方は、漁師か農家をされています。 個人的には、住んでいてなにも不満はありません。 島の方は優しいですし、魚や野菜をいただくこともあります。

大島の魅力は?

一番は人だと思います。皆がひとつの大きな家族のような感じです。 台風が来るときは、皆で船を陸上げするなど、島全体が仲良く助け合える環境があります。 また、山王神社や龍が棲むという伝説の竜王池など、歴史や伝承にも面白いものがたくさんありますので、これらをまとめた観光マップのようなものも作りたいと考えています。

今後の課題や目標は?

島外からお客さんを呼びこんで、島ならではの体験や食事などを楽しんでもらえるようになればと思っています。ただ、今は島内で観光客の方に食事を提供する場がないというところがネックになっているので、まずは食事を提供できる場や島の方も利用できる憩いの場づくりを検討してみたいと考えています。 島の方とも、来年の「えひめいやしの南予博2016」では、何か食事の提供ができればということで話していますので、これから具体的なことを検討したいと思います。 あとは、今ある特産物(あおのり、アワビ、ウニ、ヒジキ、ジャガイモ、玉ねぎ等)を広くPRしていきたいです。

乘松稔明さん
八幡浜市地域おこし協力隊フェイスブック

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