「愛顔」今回のインタビュー:菊池敦子さん

歌声がきこえて来るまちのために 菊池敦子さん 八幡浜児童合唱団 代表指導者

菊池敦子さん

“歌声がきこえて来る心豊かな街”をスローガンに、42年の歴史を持つ八幡浜児童合唱団。現在は歌の大好きな市内の小学3年生~6年生を中心に36名で活動している。自身も合唱団の第一期生であり、また約20年前からボランティアで合唱団を指導している。子ども達の成長を見るのが何よりのやりがいで、楽しいを原点に指導を行っている。

合唱団の指導者になったきっかけは?

合唱団の第一期生で活動は知っていました。音楽の教員になって八幡浜に赴任して すぐに、先輩の先生方に誘われて参加しました。

昔と今の違いはありますか?

私達の頃はオペレッタもなかったですし、純粋に合唱の練習をしていました。人数も今の3倍位いて1人1人の個性を生かしてというより「全体で」ということが多かったように思います。「心にひびく歌声」を届けたいという根本は今も昔も変わっていませんが、自分自身の合唱のとらえ方が変わったのは、宮本益光先生(八幡浜市出身オペラ歌手)が関わってくださってからです。今練習している“テントウムシ”と“セミ”は、益光先生に指導していただいた曲ですが、台詞が入ったりしていて、目から鱗でした。合唱はこうあるべきだと固定観念にとらわれていたのが、色々自由にしてもいいのだなって表現の幅が広がりました。それからは先生方で色々アイディアを出し合って自由に思いついたことを行っています。子ども達がどんどん吸収してくれるので、「こういう方がもっといいんじゃないか」っていうのが、本番前でも急に出てくるんですよ(笑)

合唱団をしていてのやりがいは?

やはり、子ども達と一緒にいい音楽、いいステージを作っていけることです。「あ、今すごくステキな響きだった!!」という瞬間に出会えるのがうれしいです。そして子ども達が予想以上にぐんぐん伸びるのが純粋にすごいなと思います。4年間で伸びる子もいるし、1年でぐっと伸びる子もいるし、歌で輝く子、オペレッタで輝く子様々です。個人としての伸びもですが、集団としても一年で力が高まっていくのを感じられるのがやりがいに繋がります。元々音楽が好きな子が来ているので、きっかけをつかめば子ども達は自分で成長して変わっていきます。自分が一番好きな音楽で、子どもの成長に関われるのが一番のやりがいです。

苦労したことは?

これは八幡浜だけのありがたい部分ですが、役割分担でJC(青年会議所)が運営を推進されているので、音楽に専念出来ています。教員をしているので運営の大変さはすごく分かるので、もしそれがあったら私は、学校の仕事と一緒には出来ないです。JCの方のボランティア精神とまごころが今の合唱団を支えていると思います。

指導のやり方で工夫していることは?

工夫していることというより、大切にしたいことは、「目に見えないものを大切にする」という事です。練習の中では、常にどんな思いで、どんな気持ちで表現していけばよいかを考えていきたいと思っています。外に出てくることももちろん必要ですが、内側にある「心」が音楽をつくっていくと思います。なので私の場合は子ども達が楽しく練習に取り組めるよう、楽しくやる中で上手く技術的なことを混ぜていってます。先に技術を付けて、上手くなって、楽しくなるというやり方もありますが、楽しくやっていく中で、テクニックや音楽的なことがちょっとずつ入ったらいいかなと私は思います。自分自身がこんなふうに歌いたい、もっと上手くなりたいと思う過程の中で、子ども達が自分のスキルを高めるやり方を見つけてくれればと思います。
 子ども達は伸びしろが多く、今後沢山の選択肢の中に音楽があればうれしいです。ただ、皆に専門的に音楽をして欲しい訳ではなく、スポーツでも何でも、合唱団で学んだ事、仲間の大切さだったり、人として大切な事だったりの経験を活かして欲しいです。そして、生活の片隅に「音楽」があるっていうのはいいですね。

今後の課題は何ですか?

子どもが減っていますから、合唱団に魅力を感じて入ってくる子が増えて欲しいです。来たら楽しくできると思うんですが、そこに一歩踏み入れるきっかけをうまく作れたらいいなと思います。指導者に関しても同じで、次に繋げていかなければなりません。何処もそうだと思いますが、始めるより続ける方が難しいです。あとメンバーを集めるだけでなく、地域にもっと音楽に触れ合える機会が増えるといいなと思います。合唱団が1つの文化になればいいかなと思います。

行政に対して何かありますか?

合唱団のPR活動とかに市として関わって欲しいです。来年に市民ミュージカルを行うそうですが、それをきっかけに音楽に少しでも関心を持ってもらえるように協力して欲しいと思います。

今後の目標は?

合唱団がずっと続いて欲しいということです。皆様に合唱団の良さが伝わればいいなと思います。また昨年度は益光先生が指導されている、かつしかシンフォニーヒルズ少年少女合唱団との交流を行いましたし、ここ近年は坊ちゃん劇場の方にミュージカルの指導に関わっていただいています。こんな風に八幡浜の中だけではなく、どんどん外に活動の幅が広がっていくといいですね。

菊池敦子さん
職業: 教員
休日の過ごし方: ぶらりお出かけ 美味しいものを食べる
八幡浜児童合唱団HP 今までの歩みや活動が見られます。

Supported by Yawatahama JC